チャオプラヤ川のまわりには、まばゆい黄金の仏塔が数多く立ち並んでいます。その中1つに涅槃仏寺院ワット・ポーがあります。広い境内の中央には、現王朝の創始者ラマ1世の遺骨が納められた本堂があります。その本堂の背後には、色鮮やかなタイルで彩られた仏塔が4つ立ち並んでいます。これらは、ラマ1世からラマ4世を祭ったもので緑が1世、黄色が2世、白が3世、青が4世を表しています。必ず見てほしいのが、全長49M、高さ12Mの巨大な涅槃仏像。境内の北西に位置する仏堂の中に窮屈そうに納まっており、その全貌を一目で見るのは困難な程です。この涅槃仏像の足の裏には、バラモン教における宇宙観が螺鈿(らでん:貝殻の白い部分を研摩してはめ込んだ装飾)細工画によって表現されています。
この寺は、タイ伝統式マッサージの総本山でもあります。ラマ3世がタイで最初の高等教育機関をここに開いたのが約160年前で、仏教教理、占星術、美術などに加え、古来のマッサージ術など、当時の最先端だった東洋医学の教本も集められました。時代とともにワット・ポーの教育機関としての役割は薄れていきましたが、東洋医学の伝統は受け継がれ、戦後まもなくマッサージ術の伝習所にとなりました。誰でも学べるようにと人体のツボの位置やヨガのポーズ、薬草の調合法を図入りで刻み込んだ石板は、今でも本堂回廊に残されています。そんな数千年の伝統ある技術のマッサージは、地元の人たちはもちろん旅行者たちにも大人気です。タイ式マッサージは少々痛いのですが、終わったあとは爽快感があり、たまっている旅の疲れも癒すことができます。ここを知らずにタイマッサージは語れません。ぜひ一度試してみて下さい。