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昨年はアメリカのハリケーンやパキスタンの大地震など、自然災害の猛威が世界を震撼させた。タイでも記録的な豪雨で北部のチェンマイ市内が40年ぶりに洪水になり、南部でも床上浸水する被害が続いた。日本も年末から記録的な大雪が降り続き、各地で雪に関する被害が出ている。高度な文明が進んでいくと必然的に自然も破壊されていく。いま地球は大きな声で悲鳴をあげているのだ。 まだ記憶にも新しい2004年12月26日に発生したスマトラ沖地震の津波は、インド洋に面したアジア・アフリカの12カ国を襲い、死者23万人、被災者200万人という大惨事をもたらした。震源地に近いタイ南部のプーケット県やパンガー県なども観光地や多くの漁村が被害を受けた。死傷者や行方不明者の数は1万人を超えるとも言われる。特に貧しい漁村部では支援の手が届かない状況が今も尚続いている。そんな中、「子どもにゆめを」をスローガンに日本を中心に、中国、韓国などのアジアや、アメリカ、ドイツなど世界各地でも活動をしている人形劇団の「熊本たけのこ会」が訪タイした。「たけのこ会」は人形劇や紙芝居を通じて、児童文化や地方文化の向上を図り、社会福祉の増進に寄与することを目的に昭和28年から活動している歴史的にも古い団体である。その一行が現地で復興支援活動をしているSVA(シャンティ国際ボランティア会)の協力を得て、津波で被災したカオラック周辺の小学校を訪問し巡回公演をする。一行は翌日からの公演のために現地を下見。ところが、被災した学校の校舎の再建現場や仮設住宅などを見ながら、途中打上げられた漁船の生々しく残る様子に、一行は言葉を無くし強い衝撃を受けた。翌日からプルティアオ仮設図書館、ナイライ小学校、パーンボーダン小学校、ナムケン村小学校、タクアパー小学校、さらにプラトーン島に船で渡りペヨーイ小学校で日本のお伽噺「ひこいちどんと子天狗どん」の紙芝居やタイ人にも馴染みの「一休さん」や「ドラエモン」の歌を唄い、サルとキツネの着ぐるみを身につけマジックショーを披露。現地は連日30度を超え、南国特有の強い日ざしが降り注いだ。それでも着ぐるみに入っている2人は汗だくになりながらも、大きな身ぶり手ぶりでマジックを熱演。演目が終わるたびに子どもたちから歓声が上がった。「熱い〜、死ぬ〜」着ぐるみの2人は、「暑さは予想以上とよ。タイ語のセリフに動きを合わせるのが一苦労たい」と嘆く。でも「子どもたちの心のケアに繋がればよか」と、白い歯がこぼれた。![]() ![]() その後一行はバンコクに移動し、クロントイスラムのチュムチョンムバーンパッタナー小中学校で最後の公演を披露。会場には約千人の生徒たちが、初めて見る日本の紙芝居を食い入るように見詰めていた。題材に選んだ「ひこいちどんと子天狗どん」の内容は、子天狗どん(熊本弁で「どん」は「さん」の意味)が持っている藁で作った雨よけのミノを着ると姿が消えるのを見て、ずる賢いひこいちどんが無性に欲しくなった。そこで、竹を30センチくらいに切って作った筒を望遠鏡のようにしながら「わぁ、遠くが大きく見える」と嘘をつく。興味を持った子天狗にミノとただの竹を交換する。子天狗は竹に目を当てて遠くを見るが普通にしか見えない。怒った子天狗が振り返るとひこいちどんはすでにミノを着て姿が見えない。「こりゃあ、いいもんだ」とまんまとミノを騙し取ったひこいちどんはそれを着て町中の屋台からいろんなものを盗む。最後はひこいちどんが天罰を受ける筋書きなのだが、さすがにテレビに慣れ親しんでいる現代タイ人の子どもたちには少し難解だったようだ。(因みに子天狗はタイ人には分からないので、子どもの鬼と訳した)その後はタイ人も知っている「一休さん」や「ドラエモン」の歌をみんなで大合唱。最後にサルとキツネの着ぐるみ人形のマジックショー。これには低学年たちが食い入るように手元を見ていた。演目が終わる度に驚いたりビックリしたりと、子供たちから先生まで大いに盛り上がっていた。公演後、生徒の代表から綺麗な貼り絵を進呈された。最後には約千人の生徒から大きな声で「ありがとう」と言う日本語で感謝をされる。その瞬間たけのこ会16人全員が笑顔に包まれた。「喜んでもらえて良かったばい」会の代表である塘添(ともぞえ)さんは御年73歳。一番若い人が25歳と平均年齢50歳の元気な劇団員たち。滞在中は慣れないタイ料理や猛暑もなんのその。病気や怪我をすることなく全ての日程を無事終了した。あっぱれである。今時の若者と比べたら凄い核エネルギーだ。 タイの子どもたちにパワーを分けてくれて有り難う。これからも将来を担う国の宝でもある「子どもにゆめを」
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